今回は、弊社ゴンドラ連続式液体凍結装置の実機にて、アジ(鯵)の急速凍結試験を行いました。
試験は実際に凍結処理を行っているお客様の工場で稼働中の液体凍結装置にて実施しましたので、30分間の凍結時間となっています。
目 次
アジ(鯵)の急速凍結試験条件
- 生産稼働中の実機ゴンドラ内に収納
- 処理時間30分
- ブライン温度マイナス25℃
- ジップロックに入れ軽く脱気(真空包装すると更に良い凍結になります)
アジ(鯵)の急速凍結試験結果
解凍後の比較(液体凍結と緩慢凍結)
1. 業務用冷凍庫(緩慢凍結)で24時間凍結後に常温解凍したアジ(鯵)の切断画像
2. 連続式液体凍結装置(急速凍結)で30分間凍結後に常温解凍したアジ(鯵)の切断画像
業務用冷凍庫による凍結~解凍
業務用冷凍庫で緩慢凍結されたアジを解凍すると、身が柔らかく変化し大量のドリップが流出しました
連続式液体凍結装置による凍結~解凍
連続式液体凍結装置で急速凍結されたアジを解凍すると、身はしっかりとしたままでドリップの流出はほとんどありませんでした
アジの急速凍結結果
今回の試験で、液体凍結はアジの凍結にも効果的で、細胞破壊を最小限にとどめることがわかりました。
様々な料理レシピで活躍するアジは、DHAやEPAなど人体に有用な必須脂肪酸やタウリン、カリウムが多く含まれていますが、傷みやすいのが欠点ですね。
新鮮で美味しい状態のアジを長期保存するためには細胞破壊の少ない液体凍結が最適で、寄生虫の心配も無くなります。
三枚おろしや切り身の状態で凍結すると更に凍結速度が早まり、とても品質の良い冷凍アジが出来上がります。
また、調理の手間も省かれ、便利なアイテムになるのではないでしょうか。
急速液体凍結装置について
氷結晶生成帯の通過スピードが遅く細胞を破壊してしまうエアーブラスト方式と比較し、熱伝導率が圧倒的に高い液体による凍結は氷結晶による細胞破壊が極少です。
凍結保存における素材・風味低下の最大要因である凍結時の細胞破壊を大幅に防ぐことによりドリップが低減され、発色・風味ともに生に近い品質で解凍することができます。