今回は、弊社ゴンドラ連続式液体凍結装置の実機にて、コンニャク(蒟蒻)の急速凍結試験を行いました。
試験は実際に凍結処理を行っているお客様の工場で稼働中の液体凍結装置にて実施しましたので、30分間の凍結時間となっています。
目 次
コンニャク(蒟蒻)の急速凍結試験条件
- 生産稼働中の実機ゴンドラ内に収納
- 処理時間30分
- ブライン温度マイナス25℃
- ジップロックに入れ軽く脱気(真空包装すると更に良い凍結になります)
コンニャク(蒟蒻)の急速凍結試験結果
解凍後の比較(液体凍結と緩慢凍結)
1. 業務用冷凍庫(緩慢凍結)で24時間凍結後に常温解凍したコンニャク(蒟蒻)の画像
2. 連続式液体凍結装置(急速凍結)で30分間凍結後に常温解凍したコンニャク(蒟蒻)の画像
業務用冷凍庫による凍結~解凍
業務用冷凍庫で緩慢凍結されたコンニャクを解凍すると、水分が分離しスポンジ状になってしまいました
連続式液体凍結装置による凍結~解凍
連続式液体凍結装置で急速凍結されたコンニャクを解凍すると、水分が抜けることなく弾力のある状態でした
コンニャク(蒟蒻)の急速凍結結果
今回の試験で、従来不可能とされていたコンニャク(蒟蒻)の冷凍ですが、液体凍結によって可能であることがわかりました。
コンニャクの成分はこんにゃく芋に含まれるグルコマンナンという水溶性の食物繊維ですが、97%が水分で水酸化カルシウムなどの凝固剤で固められています。
コンニャクを緩慢凍結すると、大量に含まれている水分が肥大化した氷の塊となり、解凍時に流れ出てしまうため、スポンジ状になった食物繊維だけが残されてしまいますが、
液体凍結は凍結速度が早く水分が肥大化する前に凍結されるため解凍しても分離することがないのです。
急速液体凍結装置について
氷結晶生成帯の通過スピードが遅く細胞を破壊してしまうエアーブラスト方式と比較し、熱伝導率が圧倒的に高い液体による凍結は氷結晶による細胞破壊が極少です。
凍結保存における素材・風味低下の最大要因である凍結時の細胞破壊を大幅に防ぐことによりドリップが低減され、発色・風味ともに生に近い品質で解凍することができます。