今回は、弊社ゴンドラ連続式液体凍結装置の実機にて、人参・大根・長芋のIQF急速凍結試験を行いました。
試験は実際に凍結処理を行っているお客様の工場で稼働中の液体凍結装置にて実施しましたので、30分間の凍結時間となっています。
目 次
人参・大根・長芋のIQF急速凍結試験条件
生産稼働中の実機ゴンドラ内に収納
処理時間30分
ブライン温度マイナス25℃
通常の含気包装
人参・大根・長芋のIQF急速凍結試験結果
人参のいちょう切り凍結試験
人参のいちょう切り(1Kg袋)をゴンドラ連続式液体凍結装置にて凍結しました
人参の乱切り凍結試験
人参の乱切り(1Kg袋)をゴンドラ連続式液体凍結装置にて凍結しました
長芋の短冊カット凍結試験
長芋の短冊カット(1Kg袋)をゴンドラ連続式液体凍結装置にて凍結しました
長芋のダイスカット凍結試験
長芋のダイスカット(1Kg袋)をゴンドラ連続式液体凍結装置にて凍結しました
大根のいちょう切り凍結試験
大根のいちょう切り(1Kg袋)をゴンドラ連続式液体凍結装置にて凍結しました
人参・大根・長芋のIQF急速凍結結果
今回の試験で、液体凍結は根菜のIQF凍結にも効果的で、細胞破壊を最小限にとどめることがわかりました。
従来、食物繊維が多い根菜類を凍結すると肥大化した氷の結晶により細胞が破壊され食感が大きく損なわれるため冷凍には不向きであると言われていました。
しかし、凍結速度が早く、細胞内の水分が肥大化する前に凍結してしまう液体凍結の場合は細胞を破壊することはありません。
栄養価が高く一番美味しい旬の時期に凍結処理することにより、1年を通していつでも新鮮な根菜を供給できます。
今回、根菜のIQF凍結を液体凍結装置にて行いましたが、袋内でもある程度バラ凍結になっていました。
これは、高品質な凍結が可能であることに併せ、包装サイズのレパートリーを増やし真空包装するなど、多くの可能性と食品ロスの低減につながるのではないでしょうか。
急速液体凍結装置について
氷結晶生成帯の通過スピードが遅く細胞を破壊してしまうエアーブラスト方式と比較し、熱伝導率が圧倒的に高い液体による凍結は氷結晶による細胞破壊が極少です。
凍結保存における素材・風味低下の最大要因である凍結時の細胞破壊を大幅に防ぐことによりドリップが低減され、発色・風味ともに生に近い品質で解凍することができます。