メロンの急速凍結【液体急速凍結装置による凍結試験】
メロンの急速凍結【液体急速凍結装置による凍結試験】

今回は、お客様のご依頼で、青肉メロンの急速凍結試験を行いました。

凍結する際の形状は、「1/8カット」と「ランダムカット」サイズの2種。
皮を剥いた状態でそれぞれ真空包装されたものになります。

メロンの急速凍結試験

メロン凍結試験条件
  • 被凍結物が変形しない程度の真空状態で包装を行う
  • 1/8カットメロンは重なりや接触の無い状態で凍結を実施
  • 1/8カットメロンは厚み約5cmを基準とし、重量は1切れ約145gです
  • ランダムカットメロンの重量は1切れ約18~22gです
メロン凍結試験手順
  1. カットしたメロンを袋に入れ、 袋の外から穴を開け、 温度センサーをメロン中心部にセット
  2. 袋に温度センサーを差し込むために開けた穴をコーキング処理し固まるまで一晩冷蔵庫に保存
  3. 翌日、 真空包装を行った後、 凍結試験を実施

上記手順により、センサー差込口のコーキングを固めるため、 被試験用メロンはカットされた状態で翌日まで真空包装されずに冷蔵保存されたものになります

メロンの凍結準備

1/8カットメロン
1/8カットメロン真空包装
ランダムカットメロン
ランダムカットメロン真空包装

1/8 カット(1個約 145g)2個入りと、ランダムカット(1個 18~22g)13個入りをそれぞれ皮を剥いた状態で真空包装し凍結試験を開始。
温度センサーはメロンの中心部へセットし温度を計測。

メロンを凍結中

液体急速凍結試験機

1/8カットメロン
ランダムカットメロン

液体凍結試験機のブライン温度は-30℃に設定し試験しました。
凍結温度の設定については装置全体の仕様およびコストに大きく影響しますので十分な検討が必要です。

今回はバッチ式の液体凍結機で試験しましたが、実際の連続式液体凍結機は大量のブライン液と対流により凍結能力は更に上回ります。

メロンの凍結完了

1/8カットメロン
1/8カットメロン
ランダムカットメロン
ランダムカットメロン

凍結完了後の様子および、袋からメロンを取り出した状態です。

メロン急速凍結の結果

1/8カットメロン
ランダムカットメロン

通常の凍結機でメロンを冷凍すると中の水分が氷の塊のようになり硬くガリッとなりますが、液体急速凍結機でメロンを冷凍すると氷結晶が肥大化する前に凍結されますので、包丁でもサクッと切れます。

液体急速凍結機で凍結されたメロンの風味や甘みは冷気方式の凍結と比較にならないほど優れていました。
また、冷凍のまま~半解凍の状態で食べると果肉100%のシャーベットとして美味しくいただけます。

メロン急速凍結の結果

旬の時期が短く品質基準の厳しいメロンですが、最高に美味しい状態のメロンや味は確かだが傷物で販売できないメロンなどを液体急速凍結機で冷凍保存し通年流通すれば市場の更なる拡大につながるのではないでしょうか。

メロンの急速凍結グラフ

メロン凍結グラフ

メロン凍結グラフ

メロンの栄養成分量

生の青肉メロン可食部100gあたりに含まれる成分量です。

メロンに多く含まれるカリウムには、体内の塩分濃度を調節し血圧の上昇を抑える働きや、利尿作用により体内の余分な水分や老廃物を排出させる働きがあります。

またメロンは約90%の水分と10%の糖分で構成されています。

赤肉もほとんど同じ成分量ですが、赤肉メロンにはβカロテンが3600μgと多く含まれています。

エネルギー 42Kcal
水分 87.9g
たんぱく質 1.0g
脂質 0.1g
炭水化物 10.4g
灰分 0.6g
カリウム 350mg
ナトリウム 6mg
カルシウム 6mg
マグネシウム 12mg
βカロテン 140μg
ビタミンE 0.3mg
ビタミンK 0μg
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.02mg
ナイアシン 0.8mg
ビタミンB6 0.11mg
葉酸 24μg
パントテン酸 0.16mg
ビタミンC 25mg

七訂 日本食品標準成分表より

急速液体凍結装置について

氷結晶生成帯の通過スピードが遅く細胞を破壊してしまうエアーブラスト方式と比較し、熱伝導率が圧倒的に高い液体による凍結は氷結晶による細胞破壊が極少です。

凍結保存における素材・風味低下の最大要因である凍結時の細胞破壊を大幅に防ぐことによりドリップが低減され、発色・風味ともに生に近い品質で解凍することができます。

日本唯一の連続式液体凍結装置の施工事例
連続式液体凍結装置

日本初の連続式液体凍結装置SH-1160H
ゴンドラ式による圧倒的な処理スピードと高品質な凍結品質を実現!
解凍時のドリップが極めて少ない高品質な凍結をハイスピード&大量処理で実現する連続式液体凍結装置
低ランニングコストと省力化も併せ持ちながら、省スペース・低コストで導入可能です

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