E型肝炎ウイルスの死滅条件 E型肝炎ウイルス食中毒の原因と予防
E型肝炎ウイルスの死滅条件 E型肝炎ウイルス食中毒の原因と予防
E型肝炎ウイルス(Norovirus)は、豚、イノシシ、鹿などの動物から分離されます。

日本では、2003年に兵庫県におけるシカ肉の生食を原因とするE型肝炎ウイルス食中毒事例が、特定の食品の摂食とE型急性肝炎発症との間の直接的な因果関係を確認した最初の事例となりました。

また、英科学誌「Journal of General Virology」2003年9月号の報告では、北海道で市販された生豚レバーの一部からE型肝炎ウイルスの遺伝子が検出され、加熱不十分な豚レバーから人への感染の可能性も示唆されています。

今回は、E型肝炎ウイルス死滅条件とE型肝炎ウイルスによる食中毒について解説いたします。

E型肝炎ウイルス

出典:国立感染症研究所

E型肝炎ウイルス食中毒の特徴

一般名:E型肝炎ウイルス
ウイルス名:Hepatitis E virus(HEV)
分類:へペウイルス科へペウイルス属
ゲノム:プラス一本鎖RNA
形 状:小型球形

E型肝炎ウイルス(HEV)の、自然界における感染のサイクルは不明ですが、日本では豚、イノシシ、鹿などの動物からHEV遺伝子及び抗体が検出されています。

また、イノシシと鹿由来のHEVではヒトへの感染が証明されていることから、E型肝炎は人獣共通感染症として捉えられています。

遺伝子型はG1~G4まで4個あり、日本の患者から検出されるウイルス型は、G3又はG4が多く、G2の報告はありません。

E型肝炎は、E型肝炎ウイルスによる急性ウイルス性肝炎です。このウイルスは、肝臓で増殖し糞便中に排出されます。環境中及び食品中では増殖しませんが、感染力を保ったまま残存します。

E型肝炎ウイルスの死滅条件

E型肝炎ウイルス(HEV)は、主に宿主動物の肝臓で増殖・糞便中に排出され、食品中では増殖しません。

HEVの細胞培養系が確立されていないため、温度、pH等の抵抗性に関するデータは少ないですが、「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ブタ肉におけるE型肝炎ウイルス(食品安全委員会.2012)」にて「HEVの加熱安定性に関する実験結果」がまとめられています。

糞便浮遊液を用いた実験では、60℃1時間の加熱で約80%が不活化
サイコロ状に切られたブタ肝臓を加熱調理した実験では、中心温度71℃5分の加熱で豚に非感染
培養上清を用いた実験では、70℃で10分間加熱した場合、RNAが不検出
同様に、95℃で1分間加熱した場合、RNAが不検出
などの実験結果が示されています。

詳しくは以下をご覧ください。
食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ブタ肉におけるE型肝炎ウイルス(食品安全委員会.2012)

E型肝炎ウイルス食中毒の潜伏期間

潜伏期間は12~50日間(平均6週間)となります。

E型肝炎ウイルス食中毒の汚染経路

E型肝炎ウイルスに汚染された豚、イノシシ、鹿等の食肉及び肝臓を生食又は加熱不十分な状態での摂食が原因と考えられています。

また、感染者の糞便とともに環境中に排出され、下水・河川等を介して汚染が広がる可能性もあります。

しかし、人体に入ったHEVがどのように肝臓に到達して、肝細胞で増殖・糞便中に排出されるのか、及び肝臓以外の臓器で複製が起こるのかについては未解明です。

豚、イノシシ、鹿等の食肉及び肝臓
E型肝炎の常在地域では、水が主な感染経路

E型肝炎ウイルス食中毒の発症ウイルス数

推定発症ウイルス量は解明されていません。

E型肝炎ウイルス食中毒の主な症状

12~50日間(平均6週間)の潜伏期間を経て、発熱、吐き気、腹痛、肝腫大、肝機能の悪化による黄疸などの症状が現れます。

致死率は、1~3%とA型肝炎と比較し約10倍も高いうえに、特に妊婦は劇症化しやすく、致死率が15%~25%と非常に高くなるため注意が必要です。

E型肝炎ウイルス食中毒の予防

豚レバー、豚肉、イノシシ肉などの生食は控え、中心部まで十分に加熱調理しましょう。
これらの食材を調理時する際に手指の傷などからウイルスが体内へ入らないように注意しましょう。

E型肝炎ウイルス食中毒の予防には以下が有効とされます

E型肝炎ウイルス食中毒の予防

  1. 黄疸や腹痛等の肝炎を疑われる者は調理に携わらない
  2. 十分に加熱(中心温度85℃で1分以上)すること
  3. 生の肉類と加熱済みの食品を分け交差汚染を防止する
  4. 調理開始時等の手洗いや消毒を徹底する

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(参考文献)

NIID 国立感染症研究所 > E型肝炎とは
IDSC 国立感染症研究所 感染症情報センター LASR
MAFF 農林水産省 食品安全に関するリスクプロファイルシート E型肝炎ウイルス
FSC 食品安全委員会 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ブタ肉における E型肝炎ウイルス
東京都福祉保健局 E型肝炎ウイルス
MHLW 厚生労働省
JFHA 公益社団法人日本食品衛生協会
JFIA 一般財団法人食品産業センター 危害要因管理

World Health Organization(WHO)
Food and Drug Administration(FDA-United States)
European Food Safety Authority(EFSA-European Union)
Ministry for Primary Industries(MPI-New Zealand)
Data sheet on foodborne biological hazards(anses-France)
U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE(USDA-United States)
Centers for Disease Control and Prevention(CDC-United States)
European Centre for Disease Prevention and Control(ECDC-European Union)
National Center for Biotechnology Information(NCBI-U.S. National Library of Medicine)
The International Commission on Microbiological Specifications for Foods (ICMSF-the Commission)
Public Health England(PHE-England)

Lemgo D- and z-value Database for Food(OWL University of Applied Sciences and Arts)
World Health Organization Fact sheets Hepatitis E(WHO.2019)
Hazard Analysis and Risk-Based Preventive Controls for Human Food:Draft Guidance for Industry(FDA.2016)
Hepatitis E Virus in Pork Production Chain in Czech Republic, Italy, and Spain, 2010(NCBI Emerg Infect Dis. 2012 Aug; 18(8): 1282-1289)
Detection of hepatitis E virus in wild boars of rural and urban regions in Germany and whole genome characterization of an endemic strain(NCBI Virol J. 2009)
Public health risks associated with hepatitis E virus (HEV) as a food-borne pathogen(EFSA Journal 2017;15(7):4886)
Scientific Opinion on an update on the present knowledge on the occurrence and control of foodborne viruses(EFSA Journal 2011;9(7):2190)
Data sheet on foodborne biological hazards :Hepatitis E virus(anses.2010)
USDA Search.Hepatitis E(USDA)
Centers for Disease Control and Prevention.Hepatitis E(CDC-United States)
GUIDELINES ON THE APPLICATION OF GENERAL PRINCIPLES OF FOOD HYGIENE TO THE CONTROL OF VIRUSES IN FOOD CAC/GL 79-2012(CODEX.2012)
Hepatitis E in the EU/EEA, 2005-2015(ECDC SURVEILLANCE REPORT)

 
 

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